中国メイクの歴史と特徴
一.トレンドの中国メイク
1.1 中国メイクとチャイボーグメイク
中国メイクブームの発端は、2019年とある日本のユーチューバーさんが中国メイクについて発信した動画です。最近SNS上話題になった「チャイボーグメイク」は中国メイクに対して日本独有の呼び方です。
「チャイボーグ」とは、中国の「チャイナ(china)」と、人間や機械が一体となった「サイボーグ(cyborg)」を組み合わせした造語で完璧で人間離れしている中国美女のことを指しています。また、「チャイボーグメイク」とは中国美人のような自信さを持ち、媚びない美しさを際立たせたメイクのことです。(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000076525.html)
1.2 中国メイクはどんな方におすすめ
中国長い歴史の中で、メイクが多様に変遷しています。基本的に、古代の中国メイクは女性の「柔らかさ」「優しさ」を引き出したものが多くて、現代の中国メイクは女性の「自信」「独立」を引き出す場合が多いです。 自信の佇まいを出したいときは細長い眉を描け、柔らかい雰囲気を出したときは目の下に頬紅をつけられ、また、ありふれた日常から離れたいときは中国風のリップメイクに仕上がられます。
その日そのシーンに合わせて、中国メイクのとあるポイントでメイクするか、全てのポイントでメイクすることができます。
ということで、中国メイクは職場でも日常でも向いて、誰でもできるメイクです。
二.歴史上の中国メイク
2.1 中国メイクの歴史を遡る
最初の中国メイクについての記録は北宋『太平御覧』にある:五代十国の宋国、ある日宋武帝の娘ー寿陽姫が梅の木の下に散歩している時、1つの梅の花は姫の眉間に落ちました。その梅は3日間ずっと姫の眉間にあり、周りの女性は皆「素敵」と思って真似しました。これは「梅花メイク」です。
梅花メイクの他に、桃花メイク、斜紅メイク、白メイク、赭面メイク、鵝黄メイク、面魇メイクなどメイクがあります。また、ポイントメイクについは古代中国の人々は多種多様な眉メイクとリップメイクを作りだしました。
2.2 古代中国メイクの特徴
歴史の中で、唐の時代にはさまざまな形の眉があった以外、メインの眉毛の形はずっと細長いでした。中国古典詩詞のなかでよく美しい眉毛を「娥眉」「遠山黛」と称賛され、この「娥眉」と「遠山黛」の眉毛は細長い特徴を持っています。
アイメイクより、古代の中国の人は眉メイクを重視しますので、まぶたのメイクに力を入れていません。また、通常唇に使う胭脂を広く使われ、目の下の頬にも使用されています。 そのため、アイメイクはよく目の下をメインとして仕上げられます。その目の下のカラーは顔のラインを和らげることができます。
歴史上、多くのリップメイクがありますが、唇の色より形を重視して、小さくて愛らしい形が人気でした。 唇の縁を覆い、小さくするように描いて、さくらんぼみたいな唇に仕上げます。
三.中国メイクの特徴とやり方
3.1 古代中国メイクの特徴
中国だけではなく日本やヨーロッパ、アメリカなどの国でも、「中国メイクとは何か、どうやるのか」について研究、実践している方が多いです。 しかし、多くの結論は現代中国人のメイク特徴に基づいて要約したものです。例えば、ビビッドなリップ、漆黒ではっきりとしたアイライン、個性溢れるアーチ眉などです。
中国メイクは、中国の文化と伝統に根ざし、女性の自立と自信の佇まいを表しています一方、多種多様な世界文化の1つでもあります。 したがって、中国メイクは歴史におけるメイク文化、今世の新しい美学と精神、中国各地域が美に対する認識の差異、甚だしくグローバルでも通用する美のエッセンスを受け入れる必要があるでしょう。
メイクの歴史から見ると、欧米は濃いメイクが多くて、中国は薄いメイクが多いです;欧米のメイクはアイメイクを重んじて、中国のメイクはアイメイクを軽んじています;欧米のリップメイクは大胆で大きな唇が多くて、中国のリップメイクはさくらんぼのような小さな口が多いです;欧米のメイクは立体感を重視て、中国メイクは平面的な装飾を重視しています。たとえ古代中国でも、メイクは進化し続けるものであり、現代の中国メイクは「多様性」と「捨てる」を兼ね合いで、伝統的なメイク文化を現代様々なスタイルと融合すべきだと考えています。
花西子は常に中国メイク可能性を探っています。インスピレーションを得るように、過去に遡り、現在を見つかります。 特に宋代の文化・美学と合わせて見ると、いくつかのメイクの技法やスタイルが歴史を貫いていることがわかりました。 これらの技法は古代のトレンドだけでなく、現代の審美にもよく合い、応用できます。
一連の研究と実践を重ね、また中国人の顔の特徴と結び合うことで、中国メイクの特徴について最初の成果を上げました。
・欧米風のきりっとした眉毛、韓国風の「平行眉」「アーチ眉」と異なり、中国メイクの眉毛は自信と穏やかさをアピールできる「細長眉」
・古代中国がよく胭脂を目の下に応用することからインスピレーションを受けて、実践を通じて得たアイメイク「眼下彩」
・さくらんぼのように小さくて愛らしいリップメイク「点珠唇」
3.2 中国メイクのやり方
アイブロウ編ー細長眉
短い眉はこめかみが広く見え、顔全体のバランスを崩し、雰囲気上窮屈そうに見えることがあります。太い眉は野暮ったくて、重く見えることもあります。 そのため、我々は細くて長い眉を中国メイクの特徴のひとつにしています。
短い眉と太い眉
細長眉
眉毛の長さ:
鼻の内側(鼻頭に近い部分)から目頭までのラインを延長したところが眉頭になり、鼻の外側から瞳の外側までのラインを延長したところが眉山になり、鼻の外側から目尻までのラインを延長したところが眉尻になる。
眉毛の幅:
約長さの1/7
やり方:
①眉毛をすく;
②眉毛の底のラインを描く;
③眉山から眉尻までのラインを描く;
④斜め下向きで眉毛を描く;
⑤ブラシで優しくほぐしていく
スタイル:
細い形は柔らかさを引き出し、長いサイズは立体感を作り出す。
アイメイク編ー眼下彩
欧米人と異なり、東アジア人の目周りに脂肪が多いため、まぶたの上に色を重ねすぎると、目がより腫れぼったく、生気がないように見えてしまいます。 一方、目の下や頬骨の上に色をつけると、アイメイクがさっぱりで自然になり、顔を柔らかくする効果があります。
まぶたの上の色が重ねすぎる場合
眼下彩
色をつける位置:
目の下をメインとして色をつけて、目の上を軽くつる。
範囲:
目尻より低くて、頬骨の上より高い位置
やり方:
目尻の1/2のところからまぶたへグラデーションをのせて、45°ぐらい下向きでぼかしていく
スタイル
淡い色は優しくて、濃い色はしっかりとした雰囲気を演出。
リップメイク編ー点珠唇
歴史を研究し実践した結果、2つの描き方を探り出しました。 Mライントーンアップと、もとの唇より小さい形の唇をじか塗りの描き方です。
範囲:
もとの唇より小さい形。
やり方:
Mライントーンアップ:
①塗りたいリップを唇全体に薄く塗る。
②リップブラシを使って、リップの内側にやや濃い目に色をのせます。内から外へグラデーションになったようなイメージ。
③ハイライトを上唇のMラインや下唇中央のラインに沿ってのせる。
もとの唇より小さい形のリップを描く:
①リップブラシを使って、唇の輪郭よりやや内側から唇のラインを描く。上唇の山部分をしっかり意識して丸めの二山を描こう。
②同じくリップブラシで描いたラインの真ん中を均一に塗る。
スタイル:
Mライントーンアップのテクニックで仕上げたリップは上品で色っぽ唇を叶えます。もとの唇より小さい形の唇をじか塗りするテクニックで仕上げたリップはエッジィな雰囲気を出せる。
四.クリエティブな中国メイク
八雅メイク
中国の伝統文化とされている「八雅」(琴、碁、書、画、詩、酒、花、茶)をモチーフにして創作した中国メイク。
二十四節気メイク
二十四節気とは、中国の旧暦における季節を表すための言葉で、季節に応じた農作業をできるように作られました。1太陽年を日数(平気法)あるいは太陽の黄道上の視位置(定気法)によって15°ごとに24等分し、1分を1つの節気とします。二十四節気は季節の移り変わりを反映しますので、人々の日常生活において極めて重要な役割を担っています。 それぞれの節気からインスピレーションをうけて、我々は二十四節気メイクを創作しました。
五.最後
中国メイクとは一体どのようなスタイルなのか、どのような特徴を持つのかについて、まだまだ議論される余地が多いです。 中国メイク自体が多種多様であるため、「細長眉」、「眼下彩」、「点珠唇」の特徴は、我々が中国文化を研究し、探り出した一段落の成果に過ぎないです。 我々は、メイクアーティストや研究者、メイク好きの方と共に中国メイクを研究することを心から望んでいます。
美しいコスメを年が明けたら手に入れたい
濱野奈保子
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